カメラを止めるな! 感想
最近話題のカメラを止めるな!を見てきた。
口コミで話題になってから見に行くのは負けだって気持ちもあるけど←
口コミ話題作品で外れはそんなにないだろうし、夏休みだしということで。
雑感
見に行った後には、面白かったし時間あれば見に行った方が良いよって感想を持った。ただし、何が何でもおすすめだよ!みたいな感想は抱かなかった。それは個人的な理由でもあるんだけど。
まず最初はゾンビ映画の撮影のシーンから始まって。役者の演技にやたら拘って怒鳴る監督。これもまた演技なんだろうなーなんて思いながら見るとこのゾンビ映画ワンカットの30分強も続く。というわけで目は離せない。
ただ出演者がカメラの方ちらちら見てるし、カメラワークもいかにも撮影してる風だし、これ作中作だよねってことはまあ気付く。
で、最後は字幕が出てエンドロールが出る。やっぱり作中作でしたかという所で一息ついた。
と思っていると作品は1ヶ月前に遡り、この企画の始まりから。
再現ドラマとかを撮っている「早い 安い 質はそこそこ」の監督に依頼が来た、生中継でワンカットでゾンビ作品を放送するという企画。
しかし、アイドルがNG出すとか、考えすぎの役者とか、癖のある人が色んな要求きてきて、監督は言うこと聞いて妥協するタイプっぽい。じゃああの最初の作品はなんだったのだろう?妄想?
答えはそのあと出てくる。色んなアクシデントを乗り切って出来上がったものだったのだ。
あの怒鳴る監督の姿は?→役者が事故ってこれなくなったから代役で出ただけだった(だけど妥協のストレスが出たのかアドリブ込み)
脈絡のない物音は一体?→酔っ払い役者が扉にぶつかったから
いきなり飛び出した奴はなんなんだ?→トイレ行きたかったから
などなど・・・なるほどねと思うと同時に笑いがこみあげてくる
そして最後のカメラカットも、撮影のアームが落ちて上から撮れない!なら人間ピラミッドで上から撮影するという力技だったのだ。
ということでアクシデントを乗り越えて最後のシーンを終えてカットでおしまい。
綺麗に収まる喜劇でお金払って観に行って良かった。どんな映画なのかあらすじもほぼ見ずに来たのは正解だった。世の中こうやって実写映画作っているのかななんて思ったり。でもなんで強烈におすすめって感じにならないかといえば・・・
その他感想
まずこの作品が好きって人にオススメしたい他の作品を挙げたい。
鉄板なのはアフタースクール。これは本当に面白かった。
その他、鍵泥棒のメソッドや運命じゃない人などこの内田けんじ監督作品もおすすめしたい。
上記のように、何故とにかくオススメ!絶対見ろ!みたいな気分になってないのかといえば、こういうタイプの作品が元々好きで色々見てきたからである。
新鮮な絵、新鮮なストーリー、新鮮なものの見方、密度がやたら濃い!等があった時に延々語りたくなり、人に薦めたくなるのだけど、そういうタイプではなかったなと。
ただ、それはあくまで個人的な話。
このタイプの捻って作った物語って映画とか物語にのめり込む入り口だと思っている。一体この話どうなるんだろう?ってのめり込むのって楽しいし。もし自分がこのカメラを止めるな!で初めてこのタイプの作品見たって立場だったら、多分相当周囲に観に行った方がいい!っておすすめしていると思う。
昨今邦画が叩かれている、(逆にアニメが持ち上げられている)要因は、こういう物語や演出で持っていく要素があまりに足りなさすぎるからだと思っている。
結局誰が出ていようと物語とか演出とかが良い作品はちゃんと評価されている。それもSNSが発達しているから成し得ること。
SNS拡散が容易になった今、このタイプの作品にはチャンスの時代なんじゃないかと思う。何せ監督も役者も有名人ってわけじゃない(私も全員初めて知りました)この作品がこれだけヒットしているのだから。
というわけで、この監督さんにはまた面白い作品を生み出してほしいなと。