shv日記

気が向いた時に綴るブログ

【アルバムレビュー】Mr.Children REFLECTION

Mr.Childrenの新しいアルバムが遂に発売しました。

 
まず、最近のミスチルの曲といって思い浮かぶイメージは何でしょうか?
色々あるでしょうが、コバタケアレンジが目立って少し曲調も似通ってるな・・・と感じている人も多いでしょう。
しかし今回のアルバムは、明らかにここ数作とは違います。
 
 
曲順はNakedの方で。あのやたら凝ったUSBはなんなんでしょうかw
 
1.fantasy
BMWのCMに使われている曲ですね。
一聴した感想。なんと言う名曲だ!
正直ここまで誰にでも名曲だと言えるのは、(擬態もいい曲だったけど)個人的にはHANABI以来です。冒頭のギターイントロからサビまで全てが完璧な曲だと思いました。
あと歌詞は割とネガティブ。タガタメを思い出しました。
ちなみに仮タイトルは「王道」まさに王道中の王道。
この曲で謎なのは、小林武史の関わり方。
 
クレジットではキーボード参加していますが、編曲はミスチルのセルフプロデュースになっています。ただライナーノーツでは共同で作られているとあります。途中で製作から抜けたのでしょうか?
 
2.FIGHT CLUB
タイトルはブラピ主演の映画から。疾走感溢れるバンドサウンドが印象的です。ファンクラブライブで聴いた時から、明らかに今回のミスチルは違う!と思わせてくれたかっこいい曲です。
 
3.斜陽
タイトルは太宰治の小説から。メロディーも歌詞もアレンジと物憂げな感じ。
ロシア民謡のテイストも入ってるそうですが、これも今までのミスチルは無かったタイプの曲です。
初めて聴いたのはFNS歌謡祭でしたが、段々好きになっていくいわゆるスルメ曲でした。
 
4.Melody
シングルで発売されていた曲。コバタケのキラキラアレンジ炸裂の王道ポップス。冬に聴きたい曲です。
fantasyと同様に万人に勧められる曲ですね。
 
5.蜘蛛の糸
曲名は芥川龍之介の小説ですが、歌詞は全く関係ないですね。
ピアノやストリングスが絡むバラード。しかし、ミスチルの曲と聞いて今回多くの人がイメージするであろうタイプのバラードは、アルバム初収録ではこの曲くらいです。
 
6.I can make it
バンドサウンドでのスローテンポな曲。バンドサウンドでのバラードが最近少なかったので貴重な曲です。Nakedのみ収録です。歌詞は創作時の苦悩を描いているのでしょうか、全般的にもがいています。個人的にも響く歌詞であります。
 
7.ROLlIN'ROLLING ~一見は百聞に如かず
アルバムBOLEROを思い起こしました。あのアルバムに収録されていてもおかしくないような曲ですね。
 
8.放たれる
配信とシングルで発売されていたバラード。すごく綺麗な曲です。
 
9.街の風景
小田和正クリスマスの約束で共作していた「パノラマの街」をついに収録。これは待っていました。
共作と言っても桜井さんがすごい速さで曲を仕上げてきたのでそのまま使ったということで、桜井さんの曲なんですね。穏やかですっとメロディーが入って来るような良い曲です。3番で唐突にあるゆがんだエレキギターの音はどういう意図なのでしょうかwこんなの最近のミスチルは絶対やらなかった事ですよね。
 
10.運命
さわやかポップですね(小並感)
カルピスのCMに使われているそうで、アレンジも歌詞もみずみずしい(よく聞いたらストーカーを描いた歌詞だったw)曲です。
仮タイトルは「ラスト マイ KAN」だそうです。KANっぽい曲をイメージしたのでしょうか。さらっと音楽聴きたいときに重宝します。
 
11.足音~Be Strong
去年発売されたシングル。 発売当時クレジットにコバタケの名前が無い事に驚きました。
ストリングスバラードですがギターが強めでピアノが弱めという所にセルフプロデュースであるという実感が湧きました。新しいミスチルを予感させます。
 
12.忘れ得ぬ人
ピアノメインのバラードです。でも3番でギターソロがある辺りセルフプロデュースだなと思います。
雑誌インタビューやファンクラブ会報で桜井さんから出て来たキーワードはワンダイレクションと韓流。女性受けする曲を目指したそうです。
 
13.You make me happy
ブラスアレンジによるスローな曲。一言でいえば大人な曲。
 
仮タイトルは大野ミッシェル雄二。大野雄二といえばこ存じルパン三世の音楽を手掛けた人ですね。ミッシェルはビートルズの曲から。
確かにルパンの音楽っぽいムードが溢れるジャジーなアレンジ。こちらも大人の曲です。
 
15.REM
サマーソニック出演直前に発表されたロックな曲。疾走感やシャウト具合はミスチル歴代でもトップクラスではないでしょうか。前作アルバムの直後にこの曲が来たもので相当驚きました。ミスチルとコバタケもまだこんな針の振り方出来るんじゃん!って思いました。
そして次のアルバムは今までと違う方向性になるのではないかという予感を抱きました。
 
16.WALTZ
BOLEROかシフクノオトの中盤に入ってそうな感じの曲。アレンジも歌詞もダークです。こういう曲の時のミスチルってほんと研ぎ澄まされていて魅力的。
一聴した時はすごくつかみ所が無い不思議な曲だなという印象。そして繰り返し聴くに連れて引き込まれて行きました。
 
17.進化論
スローテンポな曲。サビはどこいった!という感じですがwイントロのピアノの音色が印象的。コバタケの演奏とはまた違う感じなんですよね。
すごく夜に聴きたい曲。そういう意味ではニュース番組のテーマソングには最適ではないでしょうか。
仮タイトルはすなおな曲だそうです。
 
18.幻聴
万人に勧められる王道ポップス3。
ファンクラブツアーの映画見て一発で最高の曲だ!となったのを思い出しました。イントロからサビまで完璧です。fantasyとこの曲をメディアで披露したら反響絶対に大きいはずです。
クレジットの通りこの曲はコバタケアレンジ。ただファンクラブツアー後に手直ししたそうです。
 
19.REFLECTION
タイトルトラック。ピアノ1本のインストですが、なんと演奏してるのは桜井さん!シンプルなのに引き込まれます。
(付属のDVDにレコーディング風景が収録されています)
 
20.遠くへと
穏やかなドライブソングで、HOMEに入ってそうな曲ですね。
イメージしたのは荒井由実の中央フリーウェイだそうですが、伝わり方のイメージだそうで、曲調は勿論全然違いますね。
 
21.I wanna be there
アメリカンポップスな感じの曲。私は頭にジョンメイヤーが浮かんできました。結構好きな曲です。
 
22.starting over
細田守監督のバケモノの子の主題歌に決まったそうです。
力強いバラードですが、元々は信長協奏曲の主題歌として作って一度ボツしたのを復活させた曲なんだそうです。(ボツにした後に新たに生み出したのが足音)
 
23.未完
これが今のミスチルのテーマソングではないでしょうか。
4人のバンドサウンドとストリングスが絡み合うサウンド、とにかく自分達のことを歌い上げた歌詞。
ファンクラブツアーでは一番ぐっと来た曲でした。
ファン人気が絶大な曲という立ち位置になりそうです。
(ちなみに、歌詞の最後は終わりなき旅から引用したものでしょう)
 
全般感想と雑感
さて、トータル23曲ですが、本当に色々なカラーの曲がありました。歴代屈指の王道ポップスから変わり種の曲、今までミスチルになかったような曲まで。売れて尚これらの曲を生み出せるミスチルはやはり最高です。
 
色んな曲がありますが、どの曲にも言える大きな特徴は、バンドサウンドとストリングスやピアノのバランスが絶妙になってる事。前作まではピアノやストリングスが強めな傾向でしたから、余計にそう感じるのかもしれませんが。
 
歌詞は全般的にどこかダークというかネガティブな印象。ただそれは深海の頃のような自身の私生活の反映というよりは、創作の産みの苦しみや音楽界や世の中の現状を反映したものなのではないでしょうか。
 
 
前作[an imitation] blood orangeは個人的にイマイチな印象でした。勿論桜井さんの震災後に陥ったスランプもあったのでしょうが、コバタケのアレンジ力にも疑問を抱いていました。
 
ただ2013年にREMの発表があり、その後のファンクラブ会報の内容から、次のアルバムはまた違う曲を聴けるという期待を抱いていました。
 
そして2014年、コバタケから離れたクレジット表記、ファンクラブツアーの映画で見た曲達。期待は更に膨らみました。
そして生み出されたのがこのアルバム。ここに来て新しいステージに突入した感もあります。
 
今尚CDを多くの人に買わせる力を屈指に備えた、J-POPの頂点に君臨するポップザウルスMr.Childrenここにありというアルバムでした。