宇宙よりも遠い場所 地続きの非現実へ
遅ればせながら、宇宙よりも遠い場所を全13話観た。
リアルタイムで観ておけば良かったなと思うような作品だった。作品の世界に引き込まれた。
箇条書き雑感
2話の歌舞伎町の疾走シーンの何かが始まると予感出来るワクワク感に惹かれた。思えばこの時からこの作品に没頭していった。
断られてもポジティブちゃんなサッパリ展開にクスッときた。
我々も暮らす日常から地に足を付けて非現実に飛び出して行く様にワクワクした。
受け身な子とか一匹狼でバカにされてる子とか、色々あって高校辞めた子とか、陽と陰でいえば後者なキャラクター達が目標決めて突き進むところに惹かれた。
こいつらいいなと呟きたくなるような4人の関係性に惹かれた。だんだんお互いの扱いが雑になるのも良い。
めぐっちゃんや日向の元チームメイトみたいに人間の嫌な言動を逃げずに描いているのが素晴らしいと思った。めぐっちゃんの足引っ張りたくなる気持ちが少し分かるもんだからぐっと来た。
南極着いてざまあみろと鬱憤を晴らす叫びにスカッとした。前向きポジティブだけが人間の行動原理じゃないよって言ってくれたようで少し救われた。
自分のことじゃなくて、日向を傷つけたことに対して本気で怒って啖呵きるしらせに、おかしいな目から汗が・・・
そしてたどり着いた母のいた場所。届いていた、でも読まれていない毎日毎日送っていたメール。知った現実、喪失感、決着。一緒に泣く3人と共に涙を浮かべた。
そして旅の終わりの寂しさに浸る最終回。帰ってきた日常。でも彼女達はまたきっと旅に出るんだろうなと思う。
というわけでこのアニメ、見終わった後には軽く死ねますね。
この作品の魅力は?
この作品は、嫌なこともある現実から一歩一歩目標に向かって踏み出している姿を描くことで、見ている自分達の背中を押してくれる力があると思う。そこが魅力だ。
南極は誰でも行ける場所ではない非現実だ。けれどそこまでのスケールじゃなくてもいい。旅に出るとか何かを始める時に背中を押してくれる。
もう一つ良いと思うのが上にも書いた通り、行動原理がポジティブだけではないことだ。もちろん何をするにもポジティブで明るい理由で目指すのは理想だ。でも、さんざんバカにされたのを見返してやる!というパワーなしには南極到達はなし得なかったと思う。
現実に暮らしてても、仕事や何かに打ち込む時に、あの野郎を見返してやる!とか、目標達成したらバカにしてきやがった連中を罵ってやろう!って気持ちになることはあると思う。少なくともこのアニメはそういう気持ちを否定しない。
音楽
「いわゆる“女の子モノ”っぽくしたくなかった」『よりもい』劇伴 - Real Sound|リアルサウンド
(自分もどこかのネットのコメントで見てあーそういえば!となったのだが)
ED曲はスピッツイメージと公言されているが、「僕はきっと旅に出る」に影響されているんだろう。
このアニメではOPとEDだけじゃなく挿入歌が多用される。これがまたすごく感情を高ぶらせてくれる。中でもこの2曲はほんと好き。最高。
余談
タイトルはインスタグラム風、多用されるLINE風メッセンジャーアプリ。個人的にはインスタグラムがフィーチャーされているアニメは初めてだった。アニメから見るコミュニケーションツールの変遷っていうの調べるの面白そうだなと思った。